オブザーバビリティが育む開発者のシステム理解と好奇心
2025年10月27日(月) 11:20 - 11:50
(30分)
Track A
セッション概要
当初は障害対応の品質や速度を改善するために、オブザーバビリティの改善に取り組んでいました。 しかし、ある一定の品質を超えると、それは障害時にだけ頼りになるものではなく、「正常動作とは何か」について興味を持たせてくれる題材になっていました。 例えば、十分にクライアントにキャッシュがある場合、遅い正常レスポンスより、迅速なエラーレスポンス(古いキャッシュによる表示)の方がユーザー体験により良い効果があるかもしれません。そうなると、タイムアウトの適切な設定にも議論が及びますし、Fault Injectionのような機能があると対話が進めやすいことにも気づきます。 さらに、速報性が高いコンテンツでは古いキャッシュによる表示は適していないことにも議論が波及し、その場合は別コンテンツへのフォールバックが適しているかもしれません。そして次の議論は、どうコンテンツとエラーハンドリングの対応を管理するかでしょうか。 本セッションでは、オブザーバビリティに関する地道で小さな改善の積み上げによって、障害対応以外の何が変化したのか、そして何を今悩んでいるかを紹介します。
スピーカー

Toshiya Kato
LINEヤフー株式会社
SWE, DBAなどを経て、2020年12月にLINE株式会社に入社。主にLINEスタンプやLYP PremiumでEmbedded-SREとして活動。 (2023年10月よりLINEヤフー株式会社)
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