『オブザーバビリティとわたし』シリーズ 第2弾ということで、今回はインタビュー形式で運営・当日事前準備チームのリーダーであるSugimotoさんへお話を伺いました。
Sugimotoさんのオブザーバビリティとの出会い、そして本カンファレンスへの想いを皆様へお伝えできたらと思います。
経歴とこれまでの歩み
── まず、これまでのご経歴を教えてください。
Sugimoto:2021年に新卒でC2CのECサービスを運営する企業に入社し、最初の3〜4年はソフトウェアエンジニアとして働いていました。
所属は課金チームで、ソフトウェアエンジニアとしても信頼性が求められる領域でした。
開発を進める中で「もっと体系的に運用を学びたい」と思うようになり、その頃にSREという考え方を知りました。
そこからSREに関心を持ち始め、横断的なSREチームが立ち上がるタイミングで誘われて参加しました。
── まさに、運用の現場から自然とSREへとつながっていったのですね。
Sugimoto:はい。チームは当初3〜4人しかおらず、組織のエンジニアが200人近い規模の中でとても小さな組織でした。
手探りの1年で、横断的にどう価値を出すかに悩む日々でしたが、試行錯誤の積み重ねが自分の基礎を作ってくれたと思います。
オブザーバビリティとの出会い
── オブザーバビリティを最初に意識したきっかけは?
Sugimoto: 『オブザーバビリティ・エンジニアリング』(Charity Majors, Liz Fong-Jones, George Miranda 著 / 大谷 和紀, 山口 能迪 翻訳)を読んだことです。
特に印象に残っているのが、巻末にある大谷さんの後書きの一文でした。
「もし皆さんの組織でDevOpsやSREがうまくいっていないとしたら、もしかするとオブザーバビリティが不足しているのかもしれません」
「信頼性を支える根幹にあるのがオブザーバビリティなんだ」と強く腑に落ちて、そこから考え方が変わりました。今でも自分のキャリアの中心にある言葉です。
出会った後に広がった世界
── 書籍をきっかけにどんな活動をされるようになりましたか?
Sugimoto:2023年に開催された 「SRE NEXT 2023」 に初めて参加しました。各社が「オブザーバビリティを取り入れよう」と動き始めていて、まさに熱気を感じましたね。
その後、 「OpenTelemetry 日本語翻訳プロジェクト」 にも加わりました。
月1回の定例でオーガナイザーの大谷さんや山口さん、そしてMIXIのSugimotoさんと議論する機会があり、翻訳を通じてドキュメントの全体像を深く理解できるようになりました。
翻訳という作業は、単に読むよりも「なぜこの設計なのか」を考えるきっかけになります。自分にとって大きな学びの場になっています。
── 翻訳に関するメンバーは募集中とのことですので、皆様ぜひ!
OpenTelemetryの公式ドキュメント日本語化プロジェクトのメンバーを募集しています - YAMAGUCHI::weblog
https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fymotongpoo.hatenablog.com%2Fentry%2F2024%2F12%2F25%2F220320
── 個人活動でもオブザーバビリティに関して取り組まれていると伺いましたがいかがでしょう?
Sugimoto:はい。オブザーバビリティの勉強会で知り合った知人と3人でISUCONのチームを結成しました。ISUCON をオブザーバビリティから攻略できないか考えています。過去問を解く際にオブザーバビリティを意識してチューニングしていくのが面白くて、「どうすれば観測しやすい環境をつくれるか」を実践的に考える良い機会になりました。
── 最近のトレンドとして生成AIがありますが、オブザーバビリティの関係にはどう注目されていますか?
Sugimoto:そうですね。AIがコードを生成する時代になって、「人間が書いていないコードが本番で動く」状況が増えています。 だからこそ“何が起きているかを観測できる状態”がより重要になる。生成AI時代だからこそ、オブザーバビリティは不可欠だと感じています。
カンファレンス参加のきっかけ
── 今回のObservability Conference Tokyo 2025には、どのような経緯で参加されたのでしょう?
Sugimoto:Notionでスタッフ募集の告知を見て応募しました。
翻訳プロジェクトを通じて大谷さん・山口さんにお世話になっていたこともあり、「これは関わるしかないな」と思って参加を決めました。
── コミュニティに対しても強い関心があったのですね。
Sugimoto:そうですね。もともとコミュニティ活動への憧れもあって、 「一度カンファレンス運営を経験してみたい」 と思っていました。ちょうど良いタイミングだったと思います。
カンファレンスへの想い
── 実際にスタッフとして関わってみて、いかがですか?
Sugimoto:不安もありました。特に当日運営チームは、テック系カンファレンスのコアスタッフ経験のあるメンバーがほとんどいない状態で始まりましたから。
ただ、その分「一緒に作り上げていく」実感が強く、熱量の高いメンバーと動くのは刺激的です。
── 当日に向けての想いを聞かせてください。
Sugimoto:300人規模でオブザーバビリティをテーマにしたカンファレンスは日本初だと思います。
「発表を聞く」「スポンサーブースを回る」「廊下で語り合う」――どれを取っても “オブザーバビリティ漬け” の一日になるはずです。
少しでも興味がある方はぜひ来てほしいです。
どんなレベルの人でも、 「自分の今とオブザーバビリティをつなげられる」 場所になれば嬉しいですね。
編集後記
翻訳活動からカンファレンス運営まで、オブザーバビリティを軸にキャリアを広げてきたSugimotoさん。
「学ぶ・観測する・つながる」を体現するその姿勢こそ、まさにオブザーバビリティの真髄なのかもしれません。
引き続き、Observability Conference Tokyo 2025ではチケット好評販売中です!
少しでも興味を持った方はぜひ参加してみてください。
https://conference.findy-code.io/conferences/o11yconjp2025/6/registration